「っ〜〜何すんスか!?あたし怪我人っスよ!!」
マロンが悲痛の声を飲み込んでそう言った。
怒りの矛先であるドールに其の声は聞こえていない。
「彼奴が、敵を殺すの...?敵を殺すって...兄さんが喜ぶ事...彼奴が、殺ったら...ボクは殺れなくて...、そしたら、兄さんは...褒めてくれなくて...褒めてくれないって、ボクを役立たずって、そして...そして.......
ボクが殺らなかったら兄さんに褒めてもらえないでしょぉぉぉぉおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドールは発狂してキースの後に続いて行った。場が静まり返る。
「な、何なんスか...あの人。」
涙目になりながらマロンが俺に視線を向ける。
俺に聞かれても困る話だ。
「...まぁ、あんな奴って思っとけ。」
「納得出来ないっス〜...」
泣きそうな声で俺に訴える。
俺には如何しようもない。溜息を吐きつつ心の中で呟いた。
ガキが俺の手を握る。
「何だよ。」
「扉...如何やって開ければ良いの?」
「...俺に聞かれても困るんだが」
「はいっ!!其れあたし得意っス!!」
手を挙げてマロンが元気よく言う。
「出来る」ではなくて「得意」か...ハッカーの類いか。此奴は。
「ちょ!!あたし動けないんで...連れてって下さいっス!!」
「面倒臭ぇー女だな。」
そう言ってマロンを横抱きにした。
「ちょ!!ちょちょちょちょ!!!?」
「うるせぇな。」
「ヤバイっス!!激ヤバっス!!美形すぎるっス!!!」
「だから何だよ。ほら、早くやれ。」
「性格は最低っス。もっと気遣いが欲しいっス!!!」
一々注文が多い女だ。こんな状況でなければ真っ先に殺していたものを...。不愉快極まりない。
こう言うタイプの女は嫌いだ。
愚痴愚痴と口を動かす割りには、しっかりとやるべき事をしている。
手慣れているな...。
「大丈夫なの...?」
ガキが不安そうに呟いた。
「何の心配だ。」
俺の口調に公爵夫人が射るように見ている。
「...階段の方。」
「心配ねぇーだろ。ドールは何かトびかけてたけど...まぁ、あれが普通みたいなもんだから、さして気にしてねぇーがな。」
「信頼してるのね。」
「...いや、彼奴自体は信頼してねぇー。唯、疑う余地がねぇーだけだ。彼奴は名の通り“人形”みたいなもんだから。」
ガキが少し微笑んだ。
何が面白いのかと怪訝な目をガキに向けた。
「疑ってないって事は、信じてるって事でしょ。」
ガキが目を合わせてきた。
全てを見透かさせれたと思ってしまう程、一点の曇の無い黒い瞳だった。
其の瞳の中に反射して間抜けな顔の俺が映り込んでいた。
俺は直ぐに目を逸らした。
「勝手に思っとけ。」
「うん...そうするわ。」
俺はこのガキに随分と気に入られている様だ。
マロンが悲痛の声を飲み込んでそう言った。
怒りの矛先であるドールに其の声は聞こえていない。
「彼奴が、敵を殺すの...?敵を殺すって...兄さんが喜ぶ事...彼奴が、殺ったら...ボクは殺れなくて...、そしたら、兄さんは...褒めてくれなくて...褒めてくれないって、ボクを役立たずって、そして...そして.......
ボクが殺らなかったら兄さんに褒めてもらえないでしょぉぉぉぉおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドールは発狂してキースの後に続いて行った。場が静まり返る。
「な、何なんスか...あの人。」
涙目になりながらマロンが俺に視線を向ける。
俺に聞かれても困る話だ。
「...まぁ、あんな奴って思っとけ。」
「納得出来ないっス〜...」
泣きそうな声で俺に訴える。
俺には如何しようもない。溜息を吐きつつ心の中で呟いた。
ガキが俺の手を握る。
「何だよ。」
「扉...如何やって開ければ良いの?」
「...俺に聞かれても困るんだが」
「はいっ!!其れあたし得意っス!!」
手を挙げてマロンが元気よく言う。
「出来る」ではなくて「得意」か...ハッカーの類いか。此奴は。
「ちょ!!あたし動けないんで...連れてって下さいっス!!」
「面倒臭ぇー女だな。」
そう言ってマロンを横抱きにした。
「ちょ!!ちょちょちょちょ!!!?」
「うるせぇな。」
「ヤバイっス!!激ヤバっス!!美形すぎるっス!!!」
「だから何だよ。ほら、早くやれ。」
「性格は最低っス。もっと気遣いが欲しいっス!!!」
一々注文が多い女だ。こんな状況でなければ真っ先に殺していたものを...。不愉快極まりない。
こう言うタイプの女は嫌いだ。
愚痴愚痴と口を動かす割りには、しっかりとやるべき事をしている。
手慣れているな...。
「大丈夫なの...?」
ガキが不安そうに呟いた。
「何の心配だ。」
俺の口調に公爵夫人が射るように見ている。
「...階段の方。」
「心配ねぇーだろ。ドールは何かトびかけてたけど...まぁ、あれが普通みたいなもんだから、さして気にしてねぇーがな。」
「信頼してるのね。」
「...いや、彼奴自体は信頼してねぇー。唯、疑う余地がねぇーだけだ。彼奴は名の通り“人形”みたいなもんだから。」
ガキが少し微笑んだ。
何が面白いのかと怪訝な目をガキに向けた。
「疑ってないって事は、信じてるって事でしょ。」
ガキが目を合わせてきた。
全てを見透かさせれたと思ってしまう程、一点の曇の無い黒い瞳だった。
其の瞳の中に反射して間抜けな顔の俺が映り込んでいた。
俺は直ぐに目を逸らした。
「勝手に思っとけ。」
「うん...そうするわ。」
俺はこのガキに随分と気に入られている様だ。


