マスターは後頭部を掻きながら、既に立ち上がったPCにUSBを差し込んだ。
素早い手付きでファイルを開き内容を見る。
「へぇ〜、まさかとは思ってたけど...」
マスターが感嘆の声を漏らしながら、笑顔でPCの画面を見つめる。
台詞から察するにマスターは、大方予想を立てていたのだろうか。
しかも其の予想は的中した様だ。
「如何かしましたか?マスター。」
「ん?いやーね...。僕の予想通りで。
本当にキャロル伯爵が絡んでいたとは...。」
ナタリアがマスターの背後に立ち、マスターの肩に腕を置いた。
ナタリアも興味深そうに、PCの画面を見ている。
「キャロル伯爵っつたら、下級貴族の目立たねぇー奴だろ。」
「表はね。裏ではそうでもないんだよ。
しかも彼にはぺドフィリア(小児性愛者)と言う噂もあったし、しかも彼はあの『不思議の国のアリス』の原作者だ。
『不思議の国』は恐らく彼の配下だったんじゃない。」
「何で過去形なんだ?」
「キャロル伯爵は血生臭い事には、めっぽう弱い人だからさ。...『不思議の国』は逃げ出したんだよ。」
「もっと簡単に...説明してくれないか?」
マスターの中では既に完結したようだが、私を含めて周りの人間はマスターの考えにまだ追い付いていない。
マスターは面倒臭そうに溜息をつくと、仕方が無いと言った感じで説明を始めて下さった。
「たがらさ、彼はぺドフィリアで『不思議の国』はそんな彼から逃げて来たって言ってんの。」
「『不思議の国』は殺し屋なんだろ、何で気弱い伯爵1人殺せねぇーんだ。」
「其れは彼が死なれたら困るからさ。大よそ予想は付くけど、資金援助みたいなもんじゃないの。
そう言えばフェスターニャは『不思議の国』のメンバーに会ったんだよね。何か気付いた事は無かったかい?」
「何かと言われましても...、」
腕を組んで先程の出来事を思い出してみた。
あの御茶会になにか不自然な点が合っただろうか。
変な言い回しが多かったが...。
「些細な事で良いんだ。君が感じた事を言ってくれないか。」
私が感じた事。
私はあの時何を思ったのだろうか。あの3人を見て...。
綺麗な服、赤味の無い肌、少し痩せた顔、薄汚い髪...。そうだ、彼等は妙に“病人”に見えたのだ。
「マスター!!彼等は病人の様だったのです!!」
「病人か...。そうなると、『不思議の国』の連中は近い内にキャロル伯爵を狙うだろうね。」
「おい、ギフト!?そりゃ如何言う事だ!奴等伯爵は狙わねぇーんじゃ無かったのかよ!!」
マスターが耳を塞ぐ。其れでもマスターの笑顔が崩れる事は無かった。
マスターはナタリアの腕を払うと、椅子から立ち上がりソファーの近くに居る赤茶色の髪の青年の襟首を掴んで、私の目の前に連れて来られた。
「フェスターニャ、此奴に似てた?」
マスターが指し示す青年を見てみた。
服装はそうでもなかったが、赤味の無い肌と薄汚い髪は奴等の其れと似ていた。
私は首を縦に振った。そうするとマスターは満足そうに微笑まれた。
素早い手付きでファイルを開き内容を見る。
「へぇ〜、まさかとは思ってたけど...」
マスターが感嘆の声を漏らしながら、笑顔でPCの画面を見つめる。
台詞から察するにマスターは、大方予想を立てていたのだろうか。
しかも其の予想は的中した様だ。
「如何かしましたか?マスター。」
「ん?いやーね...。僕の予想通りで。
本当にキャロル伯爵が絡んでいたとは...。」
ナタリアがマスターの背後に立ち、マスターの肩に腕を置いた。
ナタリアも興味深そうに、PCの画面を見ている。
「キャロル伯爵っつたら、下級貴族の目立たねぇー奴だろ。」
「表はね。裏ではそうでもないんだよ。
しかも彼にはぺドフィリア(小児性愛者)と言う噂もあったし、しかも彼はあの『不思議の国のアリス』の原作者だ。
『不思議の国』は恐らく彼の配下だったんじゃない。」
「何で過去形なんだ?」
「キャロル伯爵は血生臭い事には、めっぽう弱い人だからさ。...『不思議の国』は逃げ出したんだよ。」
「もっと簡単に...説明してくれないか?」
マスターの中では既に完結したようだが、私を含めて周りの人間はマスターの考えにまだ追い付いていない。
マスターは面倒臭そうに溜息をつくと、仕方が無いと言った感じで説明を始めて下さった。
「たがらさ、彼はぺドフィリアで『不思議の国』はそんな彼から逃げて来たって言ってんの。」
「『不思議の国』は殺し屋なんだろ、何で気弱い伯爵1人殺せねぇーんだ。」
「其れは彼が死なれたら困るからさ。大よそ予想は付くけど、資金援助みたいなもんじゃないの。
そう言えばフェスターニャは『不思議の国』のメンバーに会ったんだよね。何か気付いた事は無かったかい?」
「何かと言われましても...、」
腕を組んで先程の出来事を思い出してみた。
あの御茶会になにか不自然な点が合っただろうか。
変な言い回しが多かったが...。
「些細な事で良いんだ。君が感じた事を言ってくれないか。」
私が感じた事。
私はあの時何を思ったのだろうか。あの3人を見て...。
綺麗な服、赤味の無い肌、少し痩せた顔、薄汚い髪...。そうだ、彼等は妙に“病人”に見えたのだ。
「マスター!!彼等は病人の様だったのです!!」
「病人か...。そうなると、『不思議の国』の連中は近い内にキャロル伯爵を狙うだろうね。」
「おい、ギフト!?そりゃ如何言う事だ!奴等伯爵は狙わねぇーんじゃ無かったのかよ!!」
マスターが耳を塞ぐ。其れでもマスターの笑顔が崩れる事は無かった。
マスターはナタリアの腕を払うと、椅子から立ち上がりソファーの近くに居る赤茶色の髪の青年の襟首を掴んで、私の目の前に連れて来られた。
「フェスターニャ、此奴に似てた?」
マスターが指し示す青年を見てみた。
服装はそうでもなかったが、赤味の無い肌と薄汚い髪は奴等の其れと似ていた。
私は首を縦に振った。そうするとマスターは満足そうに微笑まれた。


