「え、ボクにくれるの~?超嬉しいんだけど~。」
チェシャ猫さんが割りと真面目に、嬉しそうにしている。
「だだ、駄目ですよッ!!!お仲間さんを食べちゃうなんて!!絶対駄目です!!其れに今は夜です!寝てしまっても仕方が無いと思います!!!」
言い終えると辺りが静寂に囲まれた。
何だろう、この気持ちは...穴があったら入りたい。
静寂が女の人の甲高い笑い声で、崩れさった。
声の主はハートの女王ことミシェル・ディアマンテさんだ。
「あんた本当に、あたしの手をやった奴なのかい?同じ顔なのに、さっきまでの面影が全く無いじゃないか。」
「其の件は...セルリアがやった事なので、僕じゃないんです...。」
「本当に二重人格とでも言っているのかい?其れ共言い訳かい?」
ミシェルさんの鋭く緋い瞳が、僕を貫いている。
「言い訳ではありません...。本当の事なんです...。」
ミシェルさんは納得がいかないようだ。僕達の事を演技と疑っている。
如何すれば疑いが晴れるのだろうか。
「じゃ、命令よ...白ウサギ。其のセルリアと言う奴を出しなさい。」
「其れは...えっと....」
セルリアは今眠っているから、出せないなんて言えない。
僕は黙って地面を見つめる事しか出来無かった。
ミシェルさんはそんな僕を睨みながら、アルバーレさんに命令を下した。
「イモムシ、あんたの催眠術で出しな。」
「おいおい...もし、演技だったら如何するんだ。」
「其の時は、其の時さ。良いからさっさとやりな。」
「...横暴な女王だ。」
アルバーレさんは僕の目の前に立つと、スラファちゃんに僕の上から退くように言った。
スラファちゃんは少し落ち込んだ様子で、僕の上から退いた。
アルバーレさんは軍服の胸ポケットから、煙管を取り出すとライターで火を付け、僕に半ば強制的にくわえさせた。
煙管から発せられる煙が僕の口から肺へ広がる。煙たくて僕は噎せてしまった。
煙管が地面に落ちる。其れとほぼ同時に僕の意識が、宙に浮いている感覚に襲われた。
現実の感覚が麻痺していき、夢を見ているような不安定さが頭を支配する。
目の前に立っているアルバーレさんが、ゆっくり静かに僕に問いた。
「セルリアを、出せ。」
「セル...リア......?」
「そうだ。セルリアだ。」
セルリア...。
でもセルリアはまだ眠っている。
無理だよ...彼は出て来ない。
僕の意識が、どんどんあの暗闇へ向かっているのが嫌でも解る。
チェシャ猫さんが割りと真面目に、嬉しそうにしている。
「だだ、駄目ですよッ!!!お仲間さんを食べちゃうなんて!!絶対駄目です!!其れに今は夜です!寝てしまっても仕方が無いと思います!!!」
言い終えると辺りが静寂に囲まれた。
何だろう、この気持ちは...穴があったら入りたい。
静寂が女の人の甲高い笑い声で、崩れさった。
声の主はハートの女王ことミシェル・ディアマンテさんだ。
「あんた本当に、あたしの手をやった奴なのかい?同じ顔なのに、さっきまでの面影が全く無いじゃないか。」
「其の件は...セルリアがやった事なので、僕じゃないんです...。」
「本当に二重人格とでも言っているのかい?其れ共言い訳かい?」
ミシェルさんの鋭く緋い瞳が、僕を貫いている。
「言い訳ではありません...。本当の事なんです...。」
ミシェルさんは納得がいかないようだ。僕達の事を演技と疑っている。
如何すれば疑いが晴れるのだろうか。
「じゃ、命令よ...白ウサギ。其のセルリアと言う奴を出しなさい。」
「其れは...えっと....」
セルリアは今眠っているから、出せないなんて言えない。
僕は黙って地面を見つめる事しか出来無かった。
ミシェルさんはそんな僕を睨みながら、アルバーレさんに命令を下した。
「イモムシ、あんたの催眠術で出しな。」
「おいおい...もし、演技だったら如何するんだ。」
「其の時は、其の時さ。良いからさっさとやりな。」
「...横暴な女王だ。」
アルバーレさんは僕の目の前に立つと、スラファちゃんに僕の上から退くように言った。
スラファちゃんは少し落ち込んだ様子で、僕の上から退いた。
アルバーレさんは軍服の胸ポケットから、煙管を取り出すとライターで火を付け、僕に半ば強制的にくわえさせた。
煙管から発せられる煙が僕の口から肺へ広がる。煙たくて僕は噎せてしまった。
煙管が地面に落ちる。其れとほぼ同時に僕の意識が、宙に浮いている感覚に襲われた。
現実の感覚が麻痺していき、夢を見ているような不安定さが頭を支配する。
目の前に立っているアルバーレさんが、ゆっくり静かに僕に問いた。
「セルリアを、出せ。」
「セル...リア......?」
「そうだ。セルリアだ。」
セルリア...。
でもセルリアはまだ眠っている。
無理だよ...彼は出て来ない。
僕の意識が、どんどんあの暗闇へ向かっているのが嫌でも解る。


