俺達がブルーム村から帰って、家の扉を開けた時。
視界に入った人物にディーブ以外の俺達が全く同じ罵声を浴びせた。


「「「教会へ帰れッ!!エセ神父ッ!!」」」


俺達の家は十字架や聖書で埋もれていた。
其の部屋の真ん中に黒い神父服に身を包んだ、金髪で眼鏡を掛け低いシルクハットを被った男がいた。

バーサルト・レリィ...近くの教会に務めている神父だ。表顔は人が良く誰にでも優しく接する好印象の神父だ。
言葉使いも綺麗でお腹を空かせる子供には食べ物を、寒さに凍える人々には暖かい衣服を...絵に描いたような聖人だ。


「訪ねても居なかませんでしたから、逃亡したのかと思いましたよ。」

「誰が逃亡なんかするか!部屋元に戻してさっさと帰りやがれッ!!」

「酷いではないですか。いっその事懺悔しましょう。懺悔室へ行きましょう。そうしましょう。」


晴れやかな笑顔でバーサルトは両腕を広げる。胡散臭い以外何も感じる事は無い。
普段教会のガキ共と楽しそうに遊んでいる癖に、何でこう言う時に限って来るんだ...。


「誰が懺悔なんかするか!!」

「バーサルト...。君が懺悔室大好きな事は僕達は重々知ってる。だけど、巻き込まないでくれ。」

「兄さんが困ってる...出ていけ神父。」

「冷たいじゃないですか。懺悔しましょう。そうすれば貴方達は安らかに死ぬ事が出来ます。」


バーサルトは胸に手を当て、目を閉じながら微笑んだ。
色素の薄い黄色の瞳が微かに見える。


「と言う事で懺悔室に行きましょう。」

「「「1人で篭ってろッ!!!」」」


今日はギフトとドールと気が合うようだ。