第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

食事を終えた僕達は、喫茶店(?)を後にした。
これから聞き込みが始まる...正直僕は聞き込みが苦手だ。19歳にもなって恥ずかしい話だが、他人と関わりを持つことが苦手なのだ。人見知りと言った方がいいのだろうか。

だからこういうのは、セルリアに任せてしまう傾向がある。
だって知らない人怖いんだもん!


「じゃー、これから聞き込みに入るけど、4人じゃ大所帯だからね。二手に別れようか。」

「勿論僕は兄さんとだよね♥」

「ドールはケビンとね。好きなんだろ、ケビンの事...。」


嫌味たっぷりの眼差しでドールさんを見つめる。
ドールさんは眉を下にさげて、口を尖らせた。
そんなに拗ねなくても...僕が悲しくなってきたよ。

ドールさんは僕の方を向くと肩を掴んだ、僕は何か失礼な事でもしてしまったのだろうか。


「ケビンは悲しまないでよ!!僕好きだから!」

「あ、...は、はい。」

「兄さんがケビンと行けって言うなら...僕は逆らわないよ。ね、兄さん♥」

「知ってるから、さっさと行けよ。」


ギフトさん相変わらず冷たいな...。
そして僕はどう受け止めればいいのだろうか、友情的な意味だよね。絶対そうだよね...。


「僕も...ケビンとが良かった。」


ディーブ君が僕を見てそう言う。
そんな悲しい目で僕を見ても如何しようもないよ。


「我が儘言っちゃ駄目だよ、ディーブ。本当は僕だって一緒に行きたいんだから...。」


ギフトさんはディーブ君の手を取って、早速歩き始めた。
あれ...?僕ってちゃんと男なのに、何で男の皆から取り合いなんてされているんだろう。

こんな感じになってしまうから、セルリアから“女々しい”なんて言われるんだ。
でもこれは僕の所為じゃないよね!?