近くのベンチに座らせ、私は若松の前で屈み込み、若松の顔を見た。
目にはいっぱいの涙をためて、若松ファンが見たら百年の恋に冷めるようなだらしない顔になっていた。
「は、はじめちゃん・・・」
必死に絞り出したかのような声で、私のちゃんとした名前を呼んだ。
謝る時は、いつもそう。
昔呼びあっていた名前で、お互いを呼び合うのだ。
軽いケンカならば、普段通りの呼び方だけど、大きなケンカをした時は、昔の呼び方。
こうやって下の名前で呼ばれたのは、いつぶりだろうか・・・・。
「どうしたんだ、みつき?」
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