返事ができなかったオレは、一度だけコクンと頷き、天ちゃん家を後にした。
その夜。
オレは死ぬほど後悔した。
気づくと罪悪感に押しつぶされ、枕はぐっしょりと濡れていた。
次の日の朝。
赤くなった額は、かすかに血が出ていたのでガーゼを貼って、家を出た。
そこには、いつも一緒に朝練に行くために待っててくれる天ちゃんの姿はなかった。
さらには、その日、天ちゃんは学校を休んだ。
タクちゃんに「天海どうしたの?」って聞かれたけど、オレは首を横に振ることしかできなかった。
何度も天ちゃんに謝罪とみんな天ちゃんのこと気にしてるよ、ってメールを送っても、その返事は返ってこなかった。
ああ、オレ、嫌われちゃったな。
何年も続いた腐れ縁の糸が、プツリと切れた気がして、悲しくなった。