そこでオレは覚悟した。
「じゃあ、新道の野郎に全部奪われる前に、天ちゃんを全部奪っちゃう」
語尾に音符マークがつくような弾んだ声で言うと、天ちゃんは目に涙を浮かべた。
オレは天ちゃんの白い指にに自分の指を絡めて、オレの方へ引っ張り、その手の甲にキスをした。
「やめろ!!」
引っ込めようとする手を、強く握りしめ引っ張る。
いくら天ちゃんが力強くても、オレだって運動部の男の子だから、か弱い天ちゃんなんかに負けるはずがない。
一切動かない手に天ちゃんは戸惑った表情を浮かべた。
「酷いなあ、オレは今まで天ちゃんのお願いは聞いてあげてたのに」
