天海と下を向いて花を見ながら、たわいもない会話をしていた顔を上げ振り向いた。
後ろに綺麗な着物に身を包み日傘をさした、いかにも大和撫子なお嬢様が年配の側女を連れて立っていた。
聞き覚えのある声の主は、母があまりにも女性に興味を持たない俺を心配し、家の跡取りの事もある為、最近何度も一緒に食事をしている母いわく婚約者候補の女性だ。
その美貌も、立ち振る舞いも、滲み出るオーラからして数秒からして、良家の御息女だとわかる。
「こんなところで会えるなんて、とても光栄ですわ」
嬉々とした目で、俺のそばに近寄ってくる女性。
