小石を蹴る姿が可愛い。




風に揺れる白いワンピースが、なびく黒い髪が、音程のとれていない鼻歌が、天海の全てが可愛いと感じてしまう。




さっき口走ってしまった言葉が今になって恥ずかしくなってきた。




思ったことをすぐに言ってしまうのは悪い癖だ。




だが、俺は生きてきた十七年間で、こんなにも女性を可愛いと思ったことは一度もない。





物心ついた頃から、女性と言えば




「みかどくんはわたしのモノなの~」



「みかどくんすき~」



「しょうらいはみかどくんのおヨメさんにしてね」