「わ、私の名前?!」

いきなり聞かれたもんだから、一瞬自分の名前も忘れそうになる。
だけど、平然をよそおいながら、私はニッコリ笑った。

「『春野 花桜』です!花に桜って書いてカオって読むんだ!よろしく☆」
「カオ、、、、。」

ハルハルは確認するようにつぶやいてから、おもむろに手を差し出してきた。
満面の笑顔を、顔に浮かべながら。

「えっと、じゃあ花桜、一緒に学校いこう?」

ドッキーーーーーーーン!!!!!!!!
か、カオって、、、、、、!!
呼んで、くれた、、。
またまた、ほっぺたがあったかくなってく。
もう、今日は熱でもあるのかな?
まだ春だっていうのに、身体中があつい。
こんなこと、初めてだなあ。
なんでだろ?
私は首をかしげながらも、差し出された手に、自分の小さな手をそっと重ねた。

「う、うん、、、!!」

声が震えちゃって、うまく話せない。
上を見上げると、そこにはやっぱりハルハルがいて。
心臓はドキドキうるさいけど、何だか嬉しくなってくるのだった。

「じゃあ、バス停まで競争だーーー!!!」

無邪気に笑うハルハルの後ろを、ケラケラ笑いながら追いかける。

「おーっし、負けないぞー!!!」

彼の手を、ちょっとだけにぎりながら。