爽やかなピアノの音と、ベースの少し激しい音色が絶妙にマッチしている前奏も、すごい好み。
私はリズムに乗りながら、すうっと息を吸った。

「♪キミと出会ったその日から きっとボクは恋に落ちていたんだ♪」

あー、この部分スキー!!!
SAKUYA*らしい独特のメロディーが耳に入ってきたとき、私も一緒に歌い始めた。

「♪あの日の町はピンク色で 咲き乱れていたねサクラが♪」

最初は声を押さえて歌ってたけど、なんだか押さえきれなくなってきた!!!!
私は周りの視線も(っていっても散歩してるおじさんしかいなかったけど)気にせず、さらに声のボリュームをあげた。

「♪花びらとともに目に飛び込んできたきみは 輝くような笑顔で笑った♪」

高音のBメロにさしかかったとき、後ろに気配を感じた。
もー、じゃますんなよー!!
いいとこなのにさっ!
ふくっれつらで歌ったまま振り向くと。

『♪こんにちはって♪』

なぜか、声が重なった。
おかしなことに、私の目の前には、おんなじようにイヤホンをつけて、これまたポカーンとつったっている男の子がいた。
ダークブラウンの髪の毛に、キリッとした目鼻立ち。
そして、少し首が痛くなるほどの高身長。
うわ、イケメンだあ、、、、。
思わず見とれていると、その男の子はぎこちなく言った。
とんでもなく、かっこいい声で。