すご、い・・・!!
私、思わず感激。
だって、こんなに声がいいこってあんまりいないもん!

「うわぁ・・・!」

声をもらす私の前で、アイラちゃんはニコニコしながら言った。

「希望している部活は、軽音部です!
ボーカルになれるよう、頑張りたいです!」

な、
な、
なんだってぇぇぇぇぇぇぇーーーーー?!?!?!?!
私、耳が点になっちゃった。
だって、だって、だってーーー!!

「『軽音部って、あったんだ・・・!」

私も、入りたかったんだもの。
驚きを隠せない中、アイラちゃんは落ちついた様子で席にもどっていったのだった。
周りのみんなも騒いでるけど、私はそれどころじゃない。
私、何のために合唱部に入ってたんだろう・・・・。


別に、合唱部が嫌だとかそういうわけじゃない。
発声方法とかいろいろ学べたし、みんなで合わせて歌うのも楽しいし。
だけど、軽音部があるとないとでは話がちがう。
軽音部のボーカルになるって、中学生の時からきめてたもん。
それで、どっかの事務所にスカウトされて、シンガーソングライターになるのが夢。

まさか、できてるとはね・・・。
新入生歓迎会のときに『軽音部はありません』って言われたけど、ひっそりとできてたんだ。
知らなかったなぁ・・・。
私は軽くため息をついて、これからどうしようかと考え始めた。