(今の、声の混じりかたすごくない?!)

口パクでそう伝えると、ハルハルは本当に嬉しそうに笑った。

(うんっ!!オレ今、めっちゃ気持ちいい!!)

まるで子犬みたいな喜びかたに、こっちのほほもゆるむ。
笑い返してから、

((せーのっ!!))

と息を合わせた。

『♪Ah  桜の吹く町でぼくらフタリは出会った♪』
「♪君の瞳 ずっと見つめていた♪」
「♪ぼくの心は 高鳴ってゆく♪」

ふたりでパートを分担し、さらに大きな声で歌い始める。

『♪真っ青な空の色 いつまでも心に残って♪』
「♪僕たちの 素晴らしい出会いを♪」
「♪祝福して いたんだ♪」

そして、最後の部分。
私たちは、噛み締めるように歌いきったんだ。

『♪桜の 吹く町で♪』

気がつけば、教室の目の前で。
フタリで、顔を見合わせた。

『プッ!!』

それから、どちらからともなく吹き出した。

「ヤッバ、めっっちゃ楽しかった!!!」