「♪キミと出会ったその日から きっと僕は恋に落ちていたんだ♪」
、、、、あれ?
なんか、聞いたことあるような気がする、、、。
まるで包み込んでくれるような、柔らかな低音の声。
スッゴくキレイで、それでいて暖かい。
そんな歌いかたに、思わず聞き惚れる。
それにしても、やっぱり聞いたことあるよーな気がするなあ、、、。
誰だろうか?!
、、、、って次私の歌うとこじゃん!!
考え事をやめて、あわてて歩きながら息を吸った。
「♪あの日の町はピンク色で 咲き乱れていたね桜が♪」
ほっ。
よかった、のどの調子はまあまあだ!!
思わずニヤリとすると、ハルハルもまけじといい声を出す。
「♪花びらとともに目に飛び込んできたキミは 輝くような笑顔で笑った♪」
むう、、、。
やっぱり上手だ、、、!!
くやしい!!!
ちらっと横を見ると、どや顔のハルハルが目にうつる。
くううううう、、、、、、!!!!
唇をつき出してムッとする私に、挑戦的な笑みを浮かべるハルハル。
フン、だったら、本気を見せてやるー!!
大きく息を吸って、高音が持ち味の声を合わせるように出した。
『♪こんにちはって♪』
うわあ、、、、。
フタリの声が重なった瞬間、何かが起こったような気がした。
パッと横を見ると、靴を履き替えていたハルハルと、目が合う。
ハルハルも驚きを隠せないようで、目を見開いていた。


