「ないっ! ぜーったいに、ない!」 「えー?絶対、恋でしょ?」 「ちっがーうっ!」 あたしと鈴は皆の視線を気にしないで言い合いをしていた。 あたしが健に恋? そんなの絶対! ありえないんだから! 「あ、噂をすれば…」 そういって鈴はドアの方を見た。 あたしも釣られてドアの方を見る。 すると、朝の女の子と一緒に登校してきた健がいた。 ―ズキッ また、だ。 また胸が痛くなる。 だけど、ね?鈴。 あたしが健を好きになるなんてありえないんだよ? だって、あたしと健は 親友なんだから。