「あ、そうだ。玄関に健来てたぞ。毎日毎日待たせるなよ。可哀相だから。」
えっ!?
もう健来てるの!?
いつもいつも早いんだよー。
「もっと早く言ってよね!」
「早く言ったらお前起きたのかよ?」
「そっ!……れは…」
くっそーっ!
言い返せない。
低血圧のあたしには朝はキツイ訳で。
どんな理由があっても、眠気には勝てません。
「てか、健って、健より犬のが似合ってるよな」
……は?
俊兄の言ってること、意味不明なんですけど?
「意味不明なこと言わないでくださーい。じゃ、あたし支度するから早く部屋から出てけ、エロ兄」
「誰がお前の着替える姿見たがるかよ。」
―バン
そう言って俊兄はさっきより大きな音を立ててドアを閉めた。
「本当、あぁ言えばこう言うんだから!」

