「…なんで知ってるの?佐山さんが南ちゃんをイジメるかもしれないって。」
私は一度も佐山さんという言葉を出してない。ある子、と名前を伏せたのに。
私がそう聞くと会津くんは気まずそうに頬をかいた。
「もしかしてだけど…見られてた?」
私がそう言うと会津くんは静かに頷いた。
「……悪りぃな。気になってついていってた。」
申し訳なさそうに言う会津くん。
全然いいけど……気になってくれてたのか。わざわざついてきてくれたのか。
「ありがとう。」
私と佐山さん、全く関わりがないからな。
私がお礼を言うと会津くんは怪訝な顔をする。

