「ハァ…」
教室のまえで息切れしながら扉に手をかける。
すると、
「南は、正直白崎さんのことどう思う?」
教室の中から佐山さんと思われる声が聞こえた。
ということは、中に佐山さんと南ちゃんが……。
南ちゃんはなんて答えるんだろうか。
「んー?私?正直言うとあまり好きじゃないかな。」
これは……明らかに南ちゃんの声だ。
「……っ…」
扉から手を離し、教室から遠ざかろうとする。
「……あーあ。だから言ったのに。」
私の目の前にきて、そう言う会津くん。
「…遅かれ早かれ、どうせ知ることになるんです。早く知れてよかったです。」
私がそう言って逃げるように階段を駆け下りる。
そして靴に履き替えて走る。
そして私は気付いたら中庭まで走っていた。
「ぅ……」

