「南ちゃんは優しい人です。人の悪口なんて言ったりしません。では、私はこれで。」
私がそう言うと女子たちは悔しそうに帰っていった。
はぁ、怖かった。あんな集団だと何されるかわかったもんじゃないよ。
女子たちがいなくなったのを確認して、ため息をつく。
「……おまえ、堀川が大好きなんだな。」
すると背後で聞き覚えのある声が。
「わっ、あ、会津くん…っ…。」
会津くんは口元を緩ませて笑っていた。いつもの不機嫌、無表情とは大違いだ。
「南ちゃんは…大好きです。優しいし、頼りになるし、親友ですから。」
私がそう言うと会津くんはすぐに表情をいつもの無表情にした。