「痛っ!」
壁に体を押さえつけられた。
集団で押さえられてるから、身動きが取れない。
「隣の席だからって調子に乗らないでよね!目障りだから!」
「え…?」
隣の席って…
まさか、黒瀬くんのこと言ってるの!?
なんであんたたちにそんなこと言われなきゃなんないのよ!
「少し話せたからっていい気になってんじゃないわよ!ブス!」
「あたしは別にそんなこと思ってない!」
「黒瀬くんに話せて嬉しくない女なんているわけないっつーの!バーカ!」
「あたしはただ、隣だから仲良くしたいなって思っただけだよ!」
「うっざ。そういうこと言う奴が一番怪しいんだよ!」
…何言ってもダメか。
でも、どうすれば…
「だからさ…消えてくんない?」
「…え?」
「黒瀬くんはあんたのことなんか何とも思ってないの!みんなの黒瀬くんを独り占めしないでくれる?」
「なんなのよ、みんなの黒瀬くんって…」
「うっせ!黙れ!」
もうめちゃくちゃだ…!
あたし、殴られるんだ…!
あたしはギュッと目を瞑った。

