「「「きゃーー!!黒瀬く〜ん!」」」



…またかよ。
女子たちの大きな叫び声にうんざりする毎日。
…正体は、黒瀬 澪人。
あたしと同じ学年で、隣のクラス。
成績は常にトップ。
背が高くて、イケメン。
スポーツ万能。
…とにかく、完璧ってこと。



あたしにとっては、遠い存在。
話したこともないし、同じクラスになったこともない。
…って、言ってもまだ高1だけどね。

見たことなら何度かある。



そんな、ごく普通の生活を送っていた。

そして……
学年が上がり、高2になった春。



予想外の展開が、あたしを待ち受けていた……