手を繋ぐだけでも精一杯だったあの頃。
なのに、今では、愛がなくても体を繋ぐことだってできるようになってしまったなんて。
「もしも、あたしたちがあのまま続いてたら、今頃どうなってただろうね」
「『もしも』なんて今更言ったって、何の意味もねぇよ」
「嫌いで別れたわけじゃないのに」
「だとしても、終わったことは過去の事実でしかねぇだろ」
「それはそうだけど」
あたしはハルに何を求めているのだろう。
どう言ってもらえば満足なのだろう。
あぁ、そうか。
あたしはハルのことが好きで、だからあの頃のことを後悔してて、できることならハルもあたしと同じ気持ちでいてくれたらと思っているんだ。
そんな自分を、結は、つくづく我が儘だなと思った。
その時、店のガラス戸が開いて、駆け足で女の人が入ってきた。
「ハルくん!」
息を整えながら、その人は笑い、
「子猫の飼い主、見つかったよ!」
「マジで?」
嬉しそうに立ち上がったハル。
結も驚いて顔を向けた。
「うちのお店によく来てくれるおばあちゃんなんだけど。ひとり暮らしで寂しくしてたから、飼ってもいいって言ってくれて」
「うっわー。ほんとありがと、雪菜ちゃん」
「気にしないでよ」
「いや、でも、今度ちゃんとお礼するから」
いなくなってしまうチコ。
あたしの知らない女の子と仲よくしてるハル。
心に黒いもやがかかったよう。
「これ、そのおばあちゃんちの電話番号だから。明日にでも連絡取ってみて」
ハルにメモを手渡し、雪菜は「じゃあ、私はお店に戻るね」と、去っていく。
結は顔をうつむかせた。
せっかく、飼い主が見つかったというのに、なぜだか少しも喜べなかった。
なのに、今では、愛がなくても体を繋ぐことだってできるようになってしまったなんて。
「もしも、あたしたちがあのまま続いてたら、今頃どうなってただろうね」
「『もしも』なんて今更言ったって、何の意味もねぇよ」
「嫌いで別れたわけじゃないのに」
「だとしても、終わったことは過去の事実でしかねぇだろ」
「それはそうだけど」
あたしはハルに何を求めているのだろう。
どう言ってもらえば満足なのだろう。
あぁ、そうか。
あたしはハルのことが好きで、だからあの頃のことを後悔してて、できることならハルもあたしと同じ気持ちでいてくれたらと思っているんだ。
そんな自分を、結は、つくづく我が儘だなと思った。
その時、店のガラス戸が開いて、駆け足で女の人が入ってきた。
「ハルくん!」
息を整えながら、その人は笑い、
「子猫の飼い主、見つかったよ!」
「マジで?」
嬉しそうに立ち上がったハル。
結も驚いて顔を向けた。
「うちのお店によく来てくれるおばあちゃんなんだけど。ひとり暮らしで寂しくしてたから、飼ってもいいって言ってくれて」
「うっわー。ほんとありがと、雪菜ちゃん」
「気にしないでよ」
「いや、でも、今度ちゃんとお礼するから」
いなくなってしまうチコ。
あたしの知らない女の子と仲よくしてるハル。
心に黒いもやがかかったよう。
「これ、そのおばあちゃんちの電話番号だから。明日にでも連絡取ってみて」
ハルにメモを手渡し、雪菜は「じゃあ、私はお店に戻るね」と、去っていく。
結は顔をうつむかせた。
せっかく、飼い主が見つかったというのに、なぜだか少しも喜べなかった。


