ドンッ 和真の腕と壁に囲まれた。 こ、これが、か、かか壁ドンっ?! ドキドキするっ… 私は気まずいこともあるのか俯いた。 「ねぇ、由佳…」 めずらしく怒っている様子の和真。 だけど、何よりもビックリなのは… 「今、私の事、由佳って…」 和真が私を呼び捨てにしたこと。 私は思わず俯いていた顔を上げた。 そこには… 見事に目うるうるで 完璧な八の字眉をした 子犬がいた。 正確には、子犬のような和真がいた。