チョコレート(仮完)



私が学校から出ると、校門の所で


悠斗が誰かを待っていた。



私は極力目立たないように、マフラーで顔を隠して、


悠斗の前をもう少しで通り過ぎるという時、



グイッと軽く引き寄せられる感触と共に


「待てよ。」


という悠斗の懐かしい声が聞こえた。


「やめて。ってちょっと!」


私が悠斗の腕を振り払おうとすると、


悠斗は、なぜか私の手をつないで、


もくもくと歩き出した。


「ねぇっ!どこ行くのっ?」


そう聞いても悠斗は無言。


私は、諦めて大人しくついていくことにした。



あ、なんかここらへん昔見た気がする…




すると、急に悠斗が止まって、


おでこを悠斗の背中にぶつけた。


「いてて…ん?あれ…ここ」


私が顔を上にあげると、


そこは、昔よく悠斗と遊んでいた


公園だった。