私はその由佳の優しさに胸がいっぱいになった。
きなおさん事件からしばらくたった。
由佳はいまだに見守ってくれている。
まぁ、時々心配そうな顔はしているけどね。
ちなみにネーミングセンスの事も何回も言われる…
だけど、そこはやっぱり親友。
あんまり、事件の事を思い出さないようにしてくれている。
思い出させても、その思い出を笑顔で塗り替えるようなくらい
笑わせてくれる。
あの日から、私の時間は止まったまま。
時間がたったら、チョコレートのように
ドロドロに溶ければいいのに、
私の恋心は、冷凍庫に入れたように、
より一層かたくなっていた。
今日も、いつものように
逃げる、ハズだった。

