「!すごい…!やったー!」
うさぎは取れなかったけど、偶然でも何か1つ取れたことにあたしは感動した。
取り出し口に手を入れて、ライオンを取る。
「なんか…ごめんな?」
「ううん、ライオンもかわいい…!ありがとう!」
ふわふわの金髪のたてがみ。
さわり心地がよくってあたしは気に入った。
あれ……なんかよく見ると……
「ねえ……このライオンあなたに似てない?」
ライオンを彼のほうに向けて尋ねる。
「はぁ?どこが?」
どこがって……
全部?
「いや…なんかこのたてがみとか、ライオンっていう強そうなイメージとか……とにかく似てる。」
そう言ったあたしに、少し驚いたような呆れたような顔をする彼がなんだか可笑しくて、あたしは「ふふっ」と笑ってしまう。
「…やっと笑ったな。」
あ……。
彼に言われて気づく。
最近こんな無意識に笑ったことなんてなかったかも……。
でも今は……すごく楽しい……。
あなたのおかげだね……。


