「うわぁ…かわいい!」
ゲームセンターに入ると、あたしはクレーンゲームの中にあるうさぎのぬいぐるみに釘づけになる。
あたしは財布から100円を入れてクレーンを動かす……
が、クレーンはうさぎの耳をかすっただけで、100円はあっというまに水の泡となった……。
「えぇー…」
「かして。」
横で見ていた彼は、制服のポケットから100円を取り出し、機械に入れた。
クレーンをゆっくりうさぎの上にもっていき、おろす。
が、しかし肝心のうさぎのぬいぐるみはかすっただけで、クレーンは隣のライオンのぬいぐるみのタグを引っかけた。
「えっ!?…おいおい…」
彼は少し落胆していたけど、持ち上がったライオンを心配そうに眺める。
あたしもライオンをつかんでいるクレーンを見守る……。
クレーンはグラグラしながらも、ライオンのタグを離すことはなかった。
なんとか穴の所まで運び、ライオンをそこに落とした。


