「本当だよ。絢と別れるときも……悔しくてその場で押し倒したんだ……。結局逃げられて最後までできなかったけど…。」
何も言えないでいるあたしに「ごめん。」と笑った。
「とにかくさ、ちゃんと謝りたかったんだ……。結局言い訳っぽくなっちゃったけど。」
今日の弘樹くんはいつになく弱々しく見えて……
あたしまで胸が苦しくなった。
「じゃあ駅まで送るよ」と、あたしの手を引く弘樹くん。
歩き出す弘樹くんに対して、あたしは動かなかった。
「どうしたの?」
「ねえ……これで会うの最後にしたいんだけど…。」
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