「ちゃんと話したいんだよ…。あんなことしちゃったし…それでちゃんと謝りたいんだよ。」
「もういいって。ほんとにもう怒ってないし…。」
やめてよ……絢さんが好きなんでしょ?
あたしのことなんてどうでもいいじゃん…!
好きじゃない女のことなんてどうでもいいじゃん…!
こんな気持ちなのに無理して笑うのも疲れて……
「もう大丈夫だからっ!」
掴まれている腕を思いっきり振りはらってしまった。
弘樹くんは驚いた顔をしたまま、あたしを見つめている。
「あ…!」
やっちゃった…!
「ちがうの…!」
なにがちがうの?
「あのっ…ほんとに…」
なにを弁解しようとしてるの?
弘樹くんに嫌われたくないの?
いや、そもそも好かれてもないのに?
自分で忘れようって決めたのに嫌われるのはいやなの?
「っ…ふっ…くっ…!」
もうやだ……!
頭のなかがグチャグチャだ……。
いきなり変な態度取ったり、泣き出したり……
絶対わけわかんない女だって思われてる……。


