リーズン・オア・インパルス


「やっぱり見た目?」

 

あたしの直球な質問に花凜は苦笑いしてる。


「アハハッ!……違うよ…。」



「えっ?じゃあなに?」



「今年に入ってよくね、進路のこと相談してたんだ。あたし一応看護士目指してるけど、なんかもう勉強が嫌になって……くじけた時期があったの。そしたら……」



『まずはとことん頑張ること。だけど、どうしても辛くなって、心が病んでしまうようなら逃げなさい。』



「柴田先生にね、そう言われてすごい気持ちが楽になったの。単純でしょ?」



花凜はそう言って照れ笑いを浮かべた。



そっか……そんなことがあったんだ…。



「でもね、先生って大体『君たちはやれる!』とか『まだ頑張れる!』とか言うでしょ?だからしんどくてもやらなきゃ!ってずっと突っ走ってたの。」



「うん…。」



「だけど柴田先生は『逃げなさい』って言ってくれたの。なんかそんなの初めてで……心が解放された気がしたんだ…。」



「そっか……!いい先生だね、やっぱり…!」



「うん…。それであたし頑張ろうって、もっと気楽に思えるようになって……。」



こうして話してる花凜はすごく楽しそうで、嬉しそうで……。



「花凜…かわいい!」



あたしは思わず花凜にとびつく。



「ちょっとなによー!」



「ううん……いつもしっかりしてる花凜も、恋するとこんなにかわいいんだなぁって!」