「……あたしもうちょっとここにいよっかな…。」


「なんで?」


「……まだ帰れないから…。塾サボっちゃったの…。今帰ったらバレちゃうし……。」


「へーえ……。じゃあさ、塾終わるまでつきあってあげる。」


そう言って彼はあたしの手をつかんで歩き出す。


「えっ!?いっ…いいです!あたしここで時間つぶしてますから!」


「そんなこと言ったってあと1時間何すんの?ほら、いいから行くよ。」


うっ……そうだよね……。


あたしこの辺全然知らないし……。


あたしはあきらめて彼に手を引かれて歩く。


制服のまま夜の街を歩くのは初めてで、なんだかウキウキした。


夜だからイルミネーションもキレイ……!


「どっか行きたいとこある?」


彼は急に立ち止まってあたしにたずねる。