「もういちど……ちゃんと話してみたら?」


もう決心したんだ。


あたしは弘樹くんをあきらめて……弘樹くんの幸せを応援する…。


少しの間だったけど、あたしを幸せにしてくれた。


キラキラした世界に連れて行ってくれた。


「無理だよ……もう新しい彼氏だっている。それにもう3か月前のことなんだよ。いつまでも引きずってる俺がおかしいんだよ。」


また……自分のせいにして。


「だからさ……弘樹くんだってもっと自分の気持ちぶつけてもいいと思うんだ!なんか…やっぱり優しすぎるっていうか…」


「優しくないっつってんじゃん…。」


急にひときわ低い声で言った。


その声にあたしは少し怖くなったけど……なかったことにしようとして……


「…いや…でもさ…!」


すると……


「これでもほんとに優しいと思う?」


向かいに座る弘樹くんは急に立ち、腰をかがめたままあたしの後ろの壁に手をついた…。