──…絢さんはあたし達より5歳年上の22歳。
弘樹くんの友達のお姉さんだったそうで
弘樹くんの一目惚れで告白して付き合い始めたみたいだけど……
「絢の好みで髪も金髪にしたし、ピアスも開けた…。それくらい絢の一番の男でいたかったから。」
なのに……
『もう別れよ?』
それは突然のことで…
どこか繊細で落ち着いている弘樹くんの性格に飽きてしまったという。
『なんか弘樹ってイケメンだからもっと遊んでるかと思ってたのに…。意外とめんどくさいよね。』
半年間の恋だった……
その終わり方はあまりにもあっけなかった。
「結局ずっと好きだったのは俺だけだったんだ……。さっきだって俺と架純に普通に声かけてくるし……気まずそうな顔ひとつしなかった…。」
投げやりに笑ってるけど……
すごく寂しそうな、悔しそうな顔してる…。
やっぱり……まだ好きなんだ…。
そう思うと胸が苦しくなる。
弘樹くんに同情してるんじゃなくて……
弘樹くんのなかにあたしがいないから…。
やっぱりあたしは弘樹くんの1番になりたいんだ…。
勝手だなぁ……あたし…こんな時に。
自分で笑えてくる…。


