2人で観覧車に乗って夜景を眺める……
というか……話ができないから眺めるしかない…。
…全然しゃべんないな…。
弘樹くんから乗ろうって言ったのに……
やっぱり不機嫌そうで。
さっきまですごい楽しかったのに…。
「ごめん……。俺最低だな。」
外を見つめたまま、弘樹くんは急にポツリとつぶやいた。
何が……?
最低ってどういうこと…?
「あーくそっ……。バカだな…俺…。」
さっきからね……なんとなく気づいてるんだ…。
絢さん……
きっとあの人が弘樹くんの元カノ……。
うん……気づいちゃった…。
「だから…?だから今日ここにしたの…?」
「……」
「あたしといるところ…絢さんに見せつけるために…?」
弘樹くんは一瞬言葉につまったみたいだったけど、すぐにそれを認めた。
「うん……ごめん…。」
そっか……。
デートなんて言って、結局あたしは利用されただけ……。
バカみたい…。
ひとりではしゃいで……。


