「なに恥ずかしがってんの?」
ビクッ!
余裕そうに笑って、今度は弘樹くんから指を絡ませてくる。
こんなのだけで、また反応してしまうあたしが情けない。
「…別に…恥ずかしがってなんか……。」
さりげなく手を離して、必死に笑ってごまかす。
だけど……
弘樹くんは目をそらすあたしを、決して許してくれない……。
「架純…目見て……。」
頬に添えられた片手だけで、グイッと弘樹くんのほうを向かされる…。
「あ…。」
顔……熱い……!
やだ……やだ……!
「ひろ「弘樹?」
…え……?今…誰か……。
ゆっくり声のするほうを見ると、1人の女の人がこっちをキョトンとした顔で見ている。
…え…弘樹って言ったよね……?
知り合い…?
「絢……。」
落ち着いた様子で弘樹くんはつぶやく。
その顔は……
なぜか勝ち誇ったような表情だった。


