リーズン・オア・インパルス



「あー、楽しかった…!」


歩き疲れて2人でベンチに座る。


「架純ほんと子どもみたいだったよ。」


弘樹くんは笑ってからかう。


やっぱり……?


「だって……あっ、ごめんね…。疲れたよね?」


「ううん…俺も楽しかったよ。」


…ほんと…優しかったり意地悪だったり……。


よくわかんないなぁ…。


疲れたぁー、と伸びをした時だった。


「あっ…ごめっ…!」
 

何気なくベンチを滑らせていた手が、弘樹くんの手に触れた……。


バッととっさに引っ込めたけど……


なに慌ててんだろ…。


手触れただけじゃん…!


やだ……こんなんじゃバレちゃう……


あたしの気持ち…。