「ごめん、待った?」 「…ううん……今来たとこ。」 「よかった。じゃあ行こっか。」 そう言って自然に繋がれる手。 いつも弘樹くんがあたしの少し前を歩いている。 あたしの手を引いて、リードしてくれるみたいに……。 たまに少し振り向いて、目が合うと微笑む……。 それだけですごく嬉しくて……。 弘樹くんはあたしをキラキラした世界に連れて行ってくれる。 すごく幸せな世界だけど…… 陥りすぎると抜け出せなくなる。 わかってる…わかってるよ……。 繋いだ手をキュッと握った。