「じゃあ架純、頑張って!」
「うん……!」
放課後……
あたしは花凜と駅で別れ、電車に乗りこんだ。
「まぁ楽しんできなよ!」
別れ際に花凜はそう言ってくれた。
楽しむ……か…。
楽しみなんだけど……。
本当は弘樹くんといて楽しめるかなんてわからないんだ……。
ドキドキしてばっかだし……
いつものあたしでいられないっていうのが正直なところ……。
だけど、こんな風に考えてても会いたいって思ってしまう。
花凜が言うように、確かに前のあたしは塾に学校に勉強ばかりを親に強いられてきて、もうウンザリしていた。
だけど弘樹くんに出会ってから、確実にあたしの心は変化している。


