「……その制服…律華(りつか)だよね?お嬢様学校じゃん。金がないってわけじゃなさそうだけど?」
……!
やっぱり見られちゃったんだ……!
律華っていうのはあたしの通っている律華女子高校。
学校までバレちゃった……。
「なんか……気がついたら…万引きしそうになってて……。」
声が震える……。
目の前の人に対する恐怖と、犯罪を犯しそうになった恐怖とがごちゃまぜになってる。
「……あのっ…言わないでもらえませんか……?」
「えっ?」
「あっ…あたしが万引きしそうになったの……お母さんや学校にバレたら…あたし……」
全部言えなかったけど、彼は黙って聞いてくれた。
「…ふーん。キミも色々大変だね。別に言わないけど?こんなこと言っても俺になんの利益もないし。」
「ほんとですか!?よかった……ありがとうございます…!」