リーズン・オア・インパルス


「…んー……あてつけ…かな?」


え……?あてつけって……


誰への?


あたしは嫌な想像をしてしまい、胸が痛んだ。


誰かとのキスであてつけをしてやろう、なんて思う相手……


いくら恋愛経験のないあたしでもそれくらいはわかる。


「恋人……。」


「フッ……もうとっくに別れてんのに……バカだろ…俺……。」


どうして……?


どうしてそんな辛そうなのに笑ってるの……?


「ごめん……こんな理由でキスなんか……怒ってるよね……。」


無理に苦笑いして


平気なフリして


あたしに謝る彼を責める気なんておきる訳がなかった。


ただあたしの気持ちがモヤモヤしてるのは……


まだ弘樹くんは別れた彼女を想っているから……。


切なそうなやるせないような横顔に弘樹くんは、まだ彼女のことが好きなんだと確信した。