「はぁ…。」
あたしはため息をつき、散らばった教科書や問題集を拾う。
トートバックの中身が全部出てしまったため、結構な量だ。
ひとつひとつ拾い、バックに入れていく。
最後の一冊を拾おうとかがんだ瞬間、誰かの手が、その問題集をスッとつかんで、あたしの視界から消えた。
えっ…?
あっ…拾ってくれたんだ。
「あっ、すみませ……」
慌てて顔を上げた瞬間、あたしは言葉を失う。
だって……
「また会ったね。」
……なんで?
なんでまた会っちゃうの……?
「弘樹くん……。」
あたしに問題集を差し出しながら、彼は妖艶な笑みを浮かべていた…。
風になびく金髪の髪が愛しく思えちゃう…。
「ありがと……。」
あたしはたどたどしくお礼を言って、問題集を受け取った。
その時少し指が触れただけなのに、ものすごくドキドキしてしまう……。
ダメだ……ダメだ……ダメだってば!
忘れようって決めたじゃない!
あたしは必死に自分に言い聞かせる。


