最近のあたしはこんなことにキリキリと苛立っている。


こんな馬鹿らしいこともう忘れようと思ってるのに


心のどこかでキスまでされたんだから、忘れられなくて当然って思ってたりする……。


そしてそんな気持ちにすがりついてずるずると弘樹くんのことを引きずってるんだ……。


──…「あぁー…もうやだ…。」


放課後


こんなモヤモヤした気持ちのまま、あたしは1人つぶやきながら、今日も学校が終わると塾へ向かう。


家にいても、学校にいても、塾にいても……


考えるのは弘樹くんのことばかり……。


ほんとに勉強に集中しないとダメなんだけど……


あの本屋さんとか、イルミネーションの前とか、弘樹くんと歩いた道を通るたびに、もしかしたらと思って彼の姿を探してしまう……。


「どんだけ重症なのあたし……。」


両手でほっぺをパンッ、と叩いて気持ちを振り切るように走って塾に向かった。