いいなぁ……楽しそう。


こうやってみんな学校帰りにゲームセンターに寄って、プリクラ撮ってるのか……。


「ねぇ、撮ろうよ。俺らも。」


「へっ?」


驚いてる間もなく、彼に手を引かれて適当に選んだプリクラ機の撮影ブースに入る。


お金を入れると、機械が話し出す。


えっ…!?ほ…ほんとに撮るの!?


あたしは初めてのプリクラにオロオロするばかりだった。


「うっわ~、プリクラなんて久しぶりだわ~。」


彼はなんだか楽しそうに操作をしている。


どんなポーズをしていいのかもわからなくて、ピースばかりになっちゃう……。


カシャカシャと早いテンポで機械は動いていく。


それについていけないあたし……。


あと一枚で終わりか……。


なんかあっけないな……。


機械は最後の背景とあたしたちを写す。


弘樹くんが選んだ赤地に白いハートというかわいい背景。


『3・2……』


それは3秒間のカウントダウンが始まったときだった。


「架純。」


「え………っ!」


急に横から呼ばれて顔を斜め上に上げた。


その瞬間彼の顔がそこにあった……。


『…カシャッ!』


プリクラの撮影が終わると、弘樹くんはゆっくりと重なっていた唇を離す。


…え……?


今…のって……。


呆然とするあたしを見て弘樹くんはフッと笑う……。


なんだか……それがすごく色っぽく見えた……。