彼女とボクと




「りんー
これどうするのー?」

「りん、これは?」

「これはー?」

「こっちのもー」


教室中はりんへの質問で溢れていた


文化祭準備で授業はない


立花愛は教室の隅っこで小さくなり座って暇そうにしていた


僕は声を掛けるべきか迷った掛けずに作業に戻った


「りーくっ!
どう?順調?」


そう後ろからドンっと背中を押しながらりんが声を掛けてきた


よろけたけどなんとか持ちこたえて後ろを振り向き


「っ!
危ないよ
全く、りんがこんなことするなんて思わなかった

準備は順調なんじゃない?」


そう言い笑いかけると
りんも笑顔になり


「ごめんごめん、
まぁ、怪我はないし大丈夫。」


満足そうに言うりんは始め会った時の冷静さは一欠片もなかった


不思議に思い去ってゆくりんの後ろ姿を見ていると


「まぁまぁ、
分かるよ分かる。
りんは確かに美人だもんな

でもりんは魔性だよ、
もっと可愛い子にしなよ
りんがいいっていうなら応援するけど」


「でも、りんは無理でしょ?
まずは僕じゃなくて俺って言わないとねぇ、
僕って言ったら罰ゲームとか?」


なんて後ろから横に来て肩に腕を置きながられんととさくらは話始めていた


二人の腕をどけてから作業に向き直りながら


「違うよ………
ただ、少し気になっただけ、、、」