「昨日、ホテル名について調べたことは朝話しましたよね。それで、調べたときに画像も出てきて見たんですけど・・。」
そこまで言うと、暮山はかがみ、花を一つ手に取った。
「これ、ホテル名と同じです。多分、勿忘草だと思います。」
「!?何だよ、それ。そんな暗号めいた、呪いみたいな・・・。」
そこまでビクビクしながら話を聞いていた加山が、先ほどまで平然と踏みつけていた勿忘草に恐れをなして飛び上がった。
『呪い』という言葉に、既に泣きそうだった水無月が震える。
それを見逃さなかった久我は、水無月の背中に手を回した。
「大丈夫だ。」
きっぱりと言い切った久我も、内心状況に頭が追いついていなかった。
何故、何故こんなことになった、とずっと頭の中で繰り返される。
「・・・・悪い。俺が、こんなホテル行こうなんて行ったから・・。」
うつむきながら、ぎちぎちと拳を握りしめる春人。
その様子に、久我は息を呑んだ。
ばしん!!
久阪が春人の背を叩く。
「いや、明らかにお前のせいじゃないだろ。なーに言ってんだよ!」
まるで本当にいつもとかわらぬ様子で、久阪はふざけた声を出し続ける。
「いくら部長だからだって、変なことまで責任負うなよなー!!なぁ?」
久阪は、メンバーに話を振った。
誰も、春人のせいだなんて考えていない。
その意志を表すかのように、全員が力強く頷いた。
「・・・ありがとな。」
小さく。本当に小さく、春人はそう呟いた。


