「夢を、見たんだ。誰か、女みたいなヤツが、俺に怒ってるみたいで・・・。逃げるなとか、忘れるなとか、延々いい聞かせてくるんだよ。」
春人は知恵の横たわる隣に腰かけると、頭を抑えた。
「その女って・・・・?まさか、知恵の夢と同じ?」
馬鹿にすることなく真剣に話を聞く久阪に安心したのか、春人はうつむきがちだった顔をあげる。
「知らない・・。何か、金髪?っぽかったからそうかも、と思って。」
「まぁ、だいたい言いたいことは分かった。知恵とオマエの夢がリンクしているのだとすれば、ただの夢だとは思えない・・・ってとこか。」
「ん、だいたいそんなトコ。」
二人の間に沈黙がおりたとき、久阪はこのホテルについて調べようと端末を取り出した。
昨夜たっぷりと充電した端末の電源を推すが、端末は全く反応せず、画面は黒く閉ざされたままだった。
「え、あれ?壊れた!?」
「は!?」
端末をなんとかいじっていると、廊下にいた暮山が駆け込んでくる。
「あの、なんか急に電波来なくて、電源切れたんですけど・・・っ。」
「お前もか!?」
互いに真っ暗な状態の端末を見せ合い、普段冷静な二人組があたふたと端末をいじる。
そのとき、やけに焦った顔でフロントへ行っていた久我と水無月が部屋へ駆け込む。


