「じゃあ、この後十時に玄関ロビー集合でOK?」
「ラジャー!!」
加山は、一見いつもと変わらぬように見えたが、どこかいつもよりテンションが低かった。
加山は一言で言えばいわゆる運動神経抜群、その代わりかなり重度の馬鹿というヤツであった。
しかしそれは言い換えれば、本能に忠実ということでもあり、過去さまざまなことへカンや本能を働かせてきた。
加山は、昨夜に暮山に例の少女の話を聞いたときから、親友の話がいつもの悪ノリでないことは理解していた。
どうにも胸騒ぎがする_____。
春人の提案した集合時間は、十一時であった。
しかし、早くここを出た方がいい気がして、加山が春人に進言したのだった。
他のメンバーに不安を与えないよう、加山の単細胞で時間を早めるよう促すのは骨が折れたので、暮山の頭脳を借りたのだが。


