「そんじゃ、部屋戻ってロンドン観光でもしに行きますかー。」
それは、久我なりの知恵への気遣いだったのだろう。
わざとらしく明るい声で伸びをし、いつもと全く変わらぬ笑顔を浮かべている。
「そうそう、この近くに美味しいアフタヌーンティーの店があるらしくて!」
その意図を感じ取った水無月も席を立ち、明るい話題を作り出す。
「あ、それいいな。スコーンとか紅茶が美味しいんだろ?」
久阪も、春人に目配せしながら立ち上がった。
「本場のアフタヌーンティーですからね。楽しみだよね!」
雪見も、考えすぎた頭を振り払うように、知恵の腕を取りながら立ち上がる。
「はい、そうですね。」


