「・・・以上、ホテル公式HPより。」
暮山が、端末の電源を切りポケットに入れながらそう言った。
しばらくの間、皆に沈黙が流れた。
周りの客の騒音が、やけに耳に付く。
「ちなみに、過去二回ほどこのホテルでは、若い女性が失踪しているそうです。」
隣で涙を食いしばる知恵の姿を見て、雪見は何も言えなくなった。
自分は夢を見なかった。
その夢が、どれほど得体の知れないものだったのかも分からない。
そんな自分が、何を言えるというのか、考えつかなかったからだった。
「知恵。」
今までずっと黙って会話を聞いていた春人が、沈黙を破る。
知恵は、なおも下をうつむいて春人に目もくれなかった。
「今の話が、本当なのかどうかなんて誰も知らないんだ。」
それは、あまりにも安っぽい気休めでしか無い。
「気に、しすぎるな。」
「・・・・はい。」
知恵が、春人に返事をしたことで、この話題はお開きとなった。


